当研究所が支援しているオープンリサーチセンター(ORC)「高次脳・口腔科学研究センター」事業が平成23年3月末日をもって終了した。センターの研究成果は咀嚼と脳の分野に多くの業績を残すことができた。Neuroscience 2010(第33回日本神経科学大会)において、15題の発表を行った。(各論文については、「2010年度研究実績」を参照のこと)。
また、優秀な若い研究者を輩出することができ、他研究機関(千葉大学、明治大学、福島大学など)に移動した。
また、当研究所の母体である「神奈川歯科大学 生理学分野」では、国際学術雑誌に27編もの原著論文を掲載するに到った。おそらくこれは、国内の歯科大学の中で最多数であったと思われる。(各論文については、「2010年度研究実績」を参照のこと)
さらに、創建設計株式会社(今西一仁社長)と産学連携システムをとり、「健康の住まいづくり」の研究を行ってきた。具体的には、同じ間取りで同じ大きさ(約1坪:3.3平方メートル)の小家屋を、壁材と床材のみ変えて3種類(①壁と床ともに杉材②泥の壁と杉材の床、③現代建築においてよく用いられる材質の壁と床)建築し、屋外環境の種々の条件下(快晴、曇、雨、春夏秋冬など)で、年間を通して気温・湿度・臭いの変化を計測した、その結果、室温と湿度の快適さは、②≧①>③であった。臭いの拡散(消失度)も同様であった(右図)。つまり、今風の建築は人々の健康を害す要素をもっていることが明らかになり、成果に一定の目処がついた。今後は国や地方公共団体と連携し、安価な「杉を使った健康住宅づくり」を社会に啓発していくことを目指している。

